あなたが老後を過ごしている姿を、イメージしてみてください。どのような光景が思い浮かぶでしょうか。
例えば、私なら、
・世界一周の船旅
・孫と一緒に遊ぶ
・そば打ちを楽しむ
ですね。あなたは、どうですか?
でも、よくよく考えてみると、20年、30年と続く老後の、わずかな時間にしか使いませんね。
ほとんどの時間を占めるであろう「老後の日常生活の過ごし方」について、もっと真剣に考えておく必要がありそうです。
老後の日常生活の過ごし方というと、
「ようやく仕事から解放される!」
と楽しみにしているかもしれませんね。でも実際には、60歳を超えてからも何らかの形で働き続けることが般化しています。
内閣府の高齢社会白書(平成28年)によると、60歳から64歳の男性は72.7%、女性は49.0%が就業しているとのこと。
その背景の一つは、企業が定年を65歳まで伸ばしていることがあります。また、たとえ定年が60歳であったとしても、高年齢者雇用安定法によって、原則としてすべての企業において、本人の希望により65歳までも働く場を設けることが義務づけられています。
また、制度とは関係なく、「第2の就職」をして、現役時代とは異なる業種で働くという人も増えています。
内閣府の高齢社会白書では、60歳以上の高齢者に何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか質問したところ、
・ずっと働きたい・・・28.9%、
・65歳まで働きたい・・・16.6%
・70歳まで働きたい・・・16.6%
という結果になりました。高齢者全体の71.9%が、何らかの就労を希望している、ということです。
なぜ60歳を超えても働くのか、その理由として「生きがい、やりがいを求めて」という声が多く聞かれました。
また、現実的な理由として、「リタイヤ後の生活を少しでも充実させたい」という方も、多くいらっしゃるようです。
例えば、60歳で退職した場合と、65歳まで働き続けた場合、その後のキャッシュフローにどれだけ違いが出てくるのか。
以下のモデルケースで、検証してみます。
夫:60歳、年収600万円
妻:55歳、年収100万円
貯蓄:1,500万円
このご夫婦の場合、仮に2人がそれぞれ65歳まで働き続けると、80歳過ぎまで、貯蓄に手を出さなくても生活を続けていくことができます。
一方で、夫婦供に60歳でリタイアした場合、1,500万円の貯蓄では、夫が65歳のときに底をついてしまうのです。
たった5年の違いですが、これだけ大きな差が出てしまいます。人生は「お金」だけではありません。でも、お金に着目して考えると、働き続けることのメリットは大きいです。
「働く」ということにネガティブなイメージがあるかもしれません。これまで仕事でたくさんの苦労をしてきたのですから、当然のことだと思います。
でも、60歳以降の「働く」については、これまでと少し視点を変えみてはいかがでしょう。以下の記事「老後の仕事は何をしようか?」も参考にしてみてくださいませ。
あなたは60歳以降も、働き続けようかと考えていませんか? 60歳以降も仕事を続ける想いや理由は様々でしょうが、60歳以降も働き続けるとなった場合、どんな選択肢があるのか。大きく3つのパターンがあります。