自宅は本当に資産なのか?自宅が資産だと思っている落とし穴とは?

あなたは持ち家に住んでいるかもしれませんが、ところで、あなたの自宅は「資産」だと言い切れるでしょうか?
 
実は「資産」だと思っていた自宅が、「負債」になってしまっている方も多くいらっしゃるのが現実です。
 
なぜなら自宅を購入するにあたって、多くの場合は住宅ローンを組んでいるからです。
 
例え「持ち家」といっても、それを買うためにローンを組んでいて、自宅の資産価値よりも住宅ローン残高が多くなっているなら、それは「資産」ではなく「負債」になってしまいます。
 
住宅が「資産」と言えるケースは、
 
・親から相続した
・住宅ローンを完済した
・住宅ローン残債より資産価値が(確実に)高いと
 
でしょう。
 
これらのケースでしたら住宅を「資産」として考えても、まず問題ないでしょう。危険なのは、勝手に「3,000万円くらいの価値はあるだろう」と思い込んでしまうことです。
 
「数千万円もの金額で購入したのだから、現在でも、○○円くらいの価値があるに違いない。」
 
高額の買い物をしたのですから、どうしてもこのように思ってしまいがち。でも、ここに落とし穴があるのです。
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不動産の価値とは

土地や建物といった不動産は、確かに「資産」ですが、流動性が著しく低いことが資産として不利な点です。
 
流動性が低い、とは、資産の売買に時間がかかる、ということ。いざ現金が必要になったとしても、自宅をすぐに売却することは、ほぼ不可能です。
 
銀行預金なら今すぐに、遅くても翌営業日までにはお金を手にすることができます。でも自宅を売却することになったら、数ヶ月から場合によっては一年近くもの時間が必要となります。
 
さらに、不動産を購入した時期にもよりますが、地価が購入時よりも上昇している、上昇していなくても安定している、というケースは少ないのが現実。
 
残念ながら地価が下がっている、という場合の方が多いでしょう。
 
また建物自体も、築10年を超えてくると大幅に資産価値が下落していきます。すでに20年、30年も住んでいるのでしたら、相当の老朽化が進んでいるでしょう。
 
老朽化した自宅に対するメンテナンスにも、それなりの費用が必要です。このように考えてみると単純に、
 
「住宅は資産」
 
とは言えないかもしれません。

自宅は「お金が出ていく」資産

住宅も銀行預金も同じ「資産」ですが、大きな違いは
 
・銀行預金は所有しているだけで、お金が入ってくる
・住宅は所有しているだけで、お金が出ていく
 
です。
 
銀行預金は、(ごくわずかですが)利子が得られますが、住宅はメンテナンス費用や税金など、所有しているだけでお金が出ていってしまうのです。
 
同じ「資産」であっても、その性質は大きく異なります。
 
銀行預金は、銀行に対してお金を「貸している」ので、銀行から利子を得ることができます。つまり銀行に対して(無意識に)「投資をしている」のです。
 
自宅は、自分で使うために「消費している」とも言えますので、お金は出ていく一方だと考えておいた方がよい、という訳です。

所有している自宅との付き合い方

あなたが、もし老後は自宅を売却して、
 
・老人ホームの入居費に充てる
・コンパクトなマンションを購入する
 
といったことを検討しているのでしたら、自宅の売却益がどれ位になるのか、今から相場を確認しておくことをお勧めします。
 
なぜなら、いざ売却をするときになってから、
 
「もっと高く売れると思っていたのに・・・」
 
なんてことになったら、老後設計はすべて狂ってしまいます。住宅を売却しても、売却益だけでは住宅ローンを完済できない、とうケースもあるでしょう。
 
「売りたくても、売れない・・・・・・」
 
ということになってしまいます。

まとめ

不動産業者が決まって言う台詞に、
 
「持ち家は家賃と違って資産ですよ。」
 
があります。でも、本当に自宅が資産なのか、それとも実は負債なのか、今のうちに客観的に判断をしておくと、老後の安心に繋がるでしょう。
 
老後のお金について考えるときは、「流動性のある資産を持つ」ということが、一つの大きなポイントです。
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