墓の希望は生前から。長期的な視点でお墓を考えよう


老後の暮らしに関するお金の問題を考えていく上で、避けることができないことの一つが葬儀。でも、葬儀以上に生前からしっかりと考えておきたいことがあります。

それは、お墓について、です。

なぜなら葬儀は一度限りの出費ですが、お墓はずっとランニングコストが発生するからです。年金収入に頼って暮らすことになる老後においては、ランニングコストが増加すると、生活に大きな負担としてのしかかってきます。

特に、遠方の故郷にお墓があるケースは大変です。維持管理費に加え、お墓参りや法事のたびに、往復の交通費と時間がかかります。法事では僧侶へのお布施も必要になりますから、諸々の出費の合計は、かなりの金額になるでしょう。

墓守には終わりがありません。年々年老いていくことを考えると、遠距離の墓守はお金だけでなく、体力的にも厳しくなってきます。

葬儀やお墓のことで、お金の話をするのは少し後ろめたい感情があるかもしれません。でも、パートナーや子供と、供養の方法や、長期的な視点からみて無理がないかなど、本音で話し合うことをオススメします。

スポンサーリンク
レスポンシブ

一般的なお墓にかかる費用は?

お墓にはいくつかの形態がありますが、寺院墓地か霊園が一般的です。それぞれの費用についてまとめましたので、参考にしてくださいませ。

寺院墓地

寺院墓地とは、お寺の境内にあるお墓のことで、そのお寺の檀家になる必要があります。

かかる費用の相場は、永代使用料(お墓の土地の権利のこと)が80万円くらい、墓石県立も80万円くらいです。さらに檀家になるための入檀料やお布施などを含めると、200万円以上は必要になると考えておくとよいでしょう。

その他にも、年間の維持費として墓地管理料などが継続的に発生します。

霊園

霊園は宗教にかかわらず建立することができます。入檀料も不用です。石材店や宗教法人、地方自治体など様々な法人や団体が運営していることも特徴です。

公営なら使用料は20万円くらい、墓石建立は60万円くらいが相場です。寺院墓地と比較すると割安です。ただし、人気があり競争率が高いことが難点です。民営になると初期費用で150万円くらいが相場です。

公営でも民営でも、年間の維持費は数千円から1万円くらいを見込んでおいてください。

お墓も引っ越しできる

最近は、改葬(お墓の引っ越し)が増えていることをご存じでしょうか。

遠距離でお墓参りができない、ご先祖様と同じお墓に入りたいけれど遠すぎて子ども達に迷惑を掛けてしまう、という理由から、近くて通いやすく管理もしやすい墓地に引っ越すのです。

改葬にかかる費用は、25万円前後くらいです。別途、引っ越し先の墓地を買ったり、新しくお墓を立てたりする費用がかかります。

一時的に出費が増えてしまいますが、少し長い期間で考えてみますと、大幅なコストダウンに繋がります。検討してみる価値はると思います。

寺院から改葬する場合の注意点

寺院から改葬する場合は、寺院から離檀料を請求される場合があります。時には高額な請求を受けてトラブルに発展するケースもあるため注意してください。

心配があるときは、弁護士や行政書士などの専門家に手続きをお願いしておくと、スムースに手続を進めることができます。

お墓だけではない弔い方

最近では一般的な霊園などの墓地のほか、納骨堂を利用したり、散骨を選んだりする方も増えています。納骨堂の場合、墓石の建立が不要なため、費用は永代使用料としての数十万円程度と、年間維持費のみです。

納骨堂は、寺院や霊園と大きくイメージが異なります。ぜひ、いちど見学に行ってみることをオススメします。最近はハイテクを駆使した納骨堂をみて驚くかも知れませんよ。

散骨は、海洋散骨や樹木葬などがあります。費用は10万円台から前後ですむケースもあります。取扱業者のホームページ等で確認してみてください。

まとめ

老後の暮らしに関するお金の問題を考えていく上で、お墓のことは避けて通れません。年金収入に頼って暮らすことになる老後においては、ランニングコストが増加すると、生活に大きな負担としてのしかかってくるからです。

お墓にかかる費用をしっかりと把握することはもちろんのこと、長期にわたる墓守を考慮して改葬や納骨堂の利用を検討するなども、場合によっては必要でしょう。

ただ、弔い方は、費用の面だけで決めることはできません。どのような形がベストなのか、自分の意思を伝えつつ、家族で話し合ってみることが大切です。

スポンサーリンク
レスポンシブ
レスポンシブ

シェアする

フォローする