老後の暮らしとして、
「田舎で畑仕事をしながら、のんびり過ごすのが夢だ」
と考えたことはないですか。
でも、実際に田舎で暮らすとなると、引越にかかる費用や、いま暮らしている家をどうしたらよいのか、といった現実的な問題があります。
田舎への移住をするとなったら、どれくらいお金が必要になるのか分からないと、将来が不安になってしまいますよね。
本気で田舎へ移住をするとなったとき、どれだけお金がかかるのか整理してみました。ぜひ、今後の移住計画の参考にしてくださいませ。
やっぱり安い田舎の物価
都心から田舎へ移り住むことで得られるメリットの一つは、物価の安さです。特に住宅費は、都心と田舎での差が大きいです。
夫婦2人で2LDKの賃貸物件を借りるとしましょう。少し極端な例ですが、東京都港区で借りるとするなら、月25万円以上は必要です。
これが、都心から電車でたった1時間も郊外に移り住むだけで、月5万円台でも借りることができます。その差は、なんと約20万円です。
ここまで極端でなくても、田舎の賃貸住宅は、都心部の半額くらいで借りることが十分に可能です。
住宅を購入するにしても、都心と比較して安価に取得できます。土地と建物込みで1,000万円以下の物件もあり、これなら手が出せそうに感じませんか。
ただ、人気の別荘地などを狙うと、かえって高くつく場合もありますので、その点はご注意を。
自治体からの補助は期待しない
さらに、移り住む自治体によっては、住宅の取得等を支援する制度や、住み替えの奨励金が出る場合もあります。
ただし、自治体からの補助には制限が多く、特に年齢が高くなると補助が受けられないケースがほとんどです。移住に関しては自治体からの補助を過度に期待しない方が無難です。
もし将来は田舎に移住を考えているのでしたら、思い切って早めに決断する、というのもよいかもしれません。
収入減を想定しておく
田舎では都市部と比較して就職先が限られてしまいます。田舎に移り住むと、希望する職種での再就職の難易度が上がってしまいます。
田舎に移り住んだ後、どれ位の継続収入が必要なのか、働く必要があるのであれば、仕事の目処が立つのか。
しっかりと収入面の計画を立てて準備をしておかないと、後々「しまった!」ということになりかねません。
もし農業を収入源として暮らそうと考えているのでしたら、計画変更をオススメします。残念ながら、農業で家計を支えられるほどの収入は期待できないからです。
あくまで農業は生きがいとして考えて、暮らしに必要なお金は、年金や貯蓄を軸に考えた方が安心です。
田舎の交通費は都心より高い!?
都心部から田舎に移り住んだ方々の多くが口にするのは、交通費が高い、ということです。
例えば、都心部であれば、ちょっとした買い物であれば、徒歩か自転車で、大抵は事足りますよね。
でも田舎では、一番近いスーパーまで10km以上も離れている場合もあります。
バスが走っているから安心、と思ったら、3時間に2本しか走っていない・・・ということも。
都心部では必要なかったマイカーも、田舎では必須のアイテム、ということです。
マイカーを持つことによって、自動車保険や従量税、ガソリン代など、維持費がかさんでしまいます。
またちょっと都心部に出ようと思ったら、新幹線や飛行機を利用しなければならない、というケースも多くなってしまいます。
このように、田舎暮らしでは「移動」に関して何かと出費がかさむこいうことを、予め計画しておいてくださいませ。
お試し移住のススメ
あなたが、もし自宅を売却して完全移住をしよう、と考えているのでしたら、まず「お試し移住」をしてみたらいかがでしょうか。
実際に田舎で暮らしてみて、このまま暮らしていけそうだ、と思ったら、自宅を売却して、本格的に移住をするのです。
でも、この方法の一番の問題は、お試し中移住をしている間、2つの自宅を持つことになってしまうことです。
そのため、お試し移住をするのでしたら、自宅を売却せず、賃貸に出すことをオススメします。
自宅を賃貸に出すときは、賃貸管理を一括して専門家に任せてしまったほうが、確実です。_
「自宅を売却して移住したのはいいが、暮らしが肌に合わない・・・」
と思っても、自宅を売却して、資金を田舎暮らしのために投入してしまったあとからやり直すのは、正直なところ、とても大変です。
「いつでも人生はやり直しできる」
とは言いうものの、定年後から出直すのは、かなりハードです。
「いざとなったら帰る場所がある
と言う安心感を持ちながら、田舎暮らしをスタートしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
老後は田舎に移住をして暮らしたいと考えているのでしたら、
- 住宅費は都市部と比較して半分くらいで済む
- その代わり、交通費は都市部よりも高くなる
という特徴を抑えておいてください。そして、ぜひ「自宅を売却して本格移住をする前に、お試し移住してみる」ことをオススメします。