年に一度、誕生日月に送られてくる「ねんきん定期便」をみて、将来貰える年金額の少なさにガッカリしませんでしたか?
「年金はコツコツ払ってきたつもりだけど、こんなもんだろう」
と諦めるのは、ちょっと待ってください。あなたの年金を、もっと増やす方法があります。先手必勝です。今のうちに、できる対策は取っておきましょう。
一つが「公的年金の増額」、もう一つが「じぶん年金を作る」です。
まず最初に取り組んで頂きたいのが、公的年金の増額です。
「これまで数十年にわたって年金を払ってきたけれど、今から増額ができるの?」
と思うかも知れませんが、増額する方法はあります。
1.未納年金の納付をする
もしあなたに、過去5年間のうちに未納があれば、遡って納付する事ができます。これは、2018年年9月30日までの5年納付制度です。ぜひ、今すぐ「ねんきん定期便」を再確認してみてください。
国民年金の受給額は、加入期間によって決まります。例えば、保険料すべて収めている場合、満額支給額は年間年間77万9300円ですが、未納期間があれば、その分だけ受給額は減らされてしまいます。
特に注意して「ねんきん定期便」の確認をして頂きたい方は、
・自営業や個人事業主、フリーランスの方
・転職をした方
です。
自分では納付していると思っていても、手続が漏れているかもしれません。でも、確かに少し面倒かもしれませんが、遡り納付には期限があります。
「そういえば、学生時代に年金が・・・。」
と思い出したとしても、5年以上前のことでしたら遡り納付はできません。残念ですけれども、諦めて別の対策を考えていくことにしましょう。
2.年金保険料払い込みの延長をする
未納期間があるけれど、5年以上前のことで遡り納付ができない、という方の救済措置として「任意加入制度」があります。
これは、通常60歳までの年金保険料の払込期間を、最大70歳まで延長できる、という制度です。次の3つの条件を満たすことで、任意加入制度を利用することができます。
1.60歳以上で厚生年金や共済年金に加入していないこと
2.老齢基礎年金の繰上げ受給を受けていないこと
3.20歳から60歳までの保険行の納付月数が480ヶ月(40年)未満であること
これを使えば、60歳から65歳までに、5年分の未納期間をリカバリーできます。もし、65歳時点で年金受給資格を満たせない場合は、70歳まで延長することもできます。
3.私的年金制度を利用する
自営業や個人事業主、フリーランスの方が加入している国民年金は、会社員や公務員が加入する厚生年金と比較すると、年金額には大きな開きがあります。
例えば、夫婦で受け取れる平均的な月額の受取金額は、
・国民年金 約11万円
・厚生年金 約28万円
と、なんと2.5倍以上もの差があるのです。国民年金だけでは、正直、生活するには少ない金額ですね。
そこで、国民年金の受取額の少なさをカバーするための、追加で利用できる私的年金制度が、「国民年金基金」と「個人型確定拠出年金」です。
私的年金ではありますが、「国民年金基金」「個人型確定拠出年金」は「公的年金等控除」の対象となるのが、大きな特徴です。ちなみに、会社員や公務員が加入する厚生年金も、私的年金の一つです。
3−1.国民年金基金に加入する
「国民年金基金」は、第1号被保険者(自営業者)向けなので、第2号被保険者(会社員、公務員)、第3者被保険者(第2号被保険者の扶養)は加入できません。
国民年金に加入している年齢が20歳以上60歳未満の方であれば、だれでも加入できます。50代になってからでも、年金を上乗せすることが可能です。
気になる掛け金ですが、加入時の年齢やプランによって変わります。
例えば50歳で、国民年金基金に加入した場合、掛け金は、月額で1万5000円〜1万7000円くらいです。この掛け金で、生涯にわたって年間約12万円の年金が貰えます。
掛け金は、その時々で柔軟に増減することができるのも、ポイントです。無理なく老後の資金を蓄える手段として、ぜひ活用してくださいませ。
3−2.個人型確定拠出年金に加入する
国民年金(第1号被保険者)に加入している年齢が20歳以上60歳未満の方は、「個人型確定拠出年金」に加入することができます。
掛け金は毎月5000から。掛け金の上限が上限が決まっていて、国民年金基金の掛金などと合わせて、月額6万8000円までとなっています。
「国民年金基金」との違いは、資産の運用先を自分自身で運用できること、です。掛け金が同じでも、運用の結果次第で受け取れる年金額は変わることになります。
「国民年金基金」「個人型確定拠出年金」のどちらも、掛け金の全額が所得控除の対象になります。所得税や住民税を抑える節税対策にもなるのが魅力です。
公的年金の上乗せ+節税が可能になりますので、ぜひご検討くださいませ。
さて、ここまで年金を増やす方法として、公的年金の増額について、お伝えしてきました。
ポイントをまとめますと、
・年金の未納期間が無いか「ねんきん定期便」などでチェックし、遡って納付出来るか確認しましょう。
・未納期間があり遡って納付も出来ない場合は、「任意加入制度」を使って最長で70歳まで納付期間を延長することができます。
・国民年金(自営業や個人事業主、フリーランスの方)は、厚生年金と比較すると年金が少ないです。公的年金の上乗せ+節税が可能になる「国民年金基金」「個人型確定拠出年金」の利用を検討してみてくださいませ。
の3点です。
さて、年金を増やす方法には、もう一つ「じぶん年金を作る」という方法があります。自分年金については、以下のページに詳しくまとめましたので、ご参考くださいませ。