遺言書の前にまずは財産目録のススメ。残された家族のために


財産の多い・少ないに係わらず、すべての人に相続が発生します。たとえ負債しかなくても、です。 

自分がこの世を去るとき、自宅や、貯金、株券や投資信託など、何を誰に渡すのか明確にしておかないと、残された家族が戸惑ってしまいかねません。もしかすると、家族間での争いの元になってしまう可能性も、無いとはいえません。

あなたが家族のために残しておいた財産を巡って、家族間の争いになってしまったら・・・悲しい限りですよね。

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あなたの財産、家族は知っていますか?

ところでその前に、あなたの財産のすべてについて家族はご存じでしょうか? どんな財産があるのか分からないと、相続の手続にとても時間がかかってしまいます。

時間がかかるだけなら、まだ良い方です。最悪は、だれもあなたの財産に気付かない・・・なんてことにもなりかねません。

あなたが作り上げた財産です。しっかりと確実に家族へ相続をさせたいですよね。そのためには、きちんと遺言書を書いておくことが大切です。

でも遺言書を書くとなると、

  • きちんとした遺言を書くのは大変だなぁ・・・
  • 遺言書の必要性は分かるけれど、何だか筆が進まなくて・・・
  • 形式張っていて、ちょっと仰々しいぁ・・・

と思うかも知れませんね。確かに、いざ遺言書を書こうとすると、それなりに手間暇がかかる作業になりますから、腰が重くなるのも、やむを得ないことだと思います。

まずは財産目録だけでも作成する

そこで、ちょっと作成が大変な遺言書の作成は後回しにして、まずは「財産目録」の作成をオススメします。

財産目録といっても、あなたの財産を洗い出してメモに書き出す、だけで大丈夫です。決まった書き方はありません。内容が分かれば十分です。自由に書き出してください。

とはいっても、まったくの自由というのも、なかなか書きにくいもの。以下に書き出しておきたい項目を列挙しましたので、参考にしてみてくださいませ。

<不動産>
自宅建物、土地(35坪)

<貯金>
○○銀行 △△支店  口座番号 XXXXXX  1000万円
□□銀行 ◇◇支店  口座番号 XXXXXX   250万円

<株券>
○○証券 □△◇支店  口座番号 XXXXXXX
 AAAAA株式会社 300株(時価:120万円)
 BBBBB株式会社 200株(時価:240万円)

<投資信託>
◇◇証券 △△支店  口座番号 XXXXXXX
 CCCCCCインデックス 342万円

<保険>
○○生命
DDDD保険  証券番号 XXXXXX 死亡時 1500万円
EEE保険  証券番号 XXXXXX 死亡時 300万円

<その他>
自動車 2台
腕時計 1つ (時価:25万円)
骨董品 花瓶 1つ (時価:230万円)

<負債>
住宅ローン ▲525万円
自動車ローン ▲45万円

作成日:XXXX年XX月XX日
最終更新日:XXXX年XX月XX日

重要! 負債も記録しておくことの大切さ

負債については、なるべく触れたくない、と思うかもしれませんね。

でも、相続は資産だけではなく、負債にも発生します。負債がある状態で亡くなったとしたら、その負債は残された家族が支払うことになるのです。

家族が知らない負債があったとしても、それはやむを得ないことかも知れません。でも、少なくともいくらの負債があるのかは、残された家族のために、きちんと財産目録に記載しておいてあげてください。

なぜなら、いざ相続をすることになった家族は、負債の状況に応じて「相続放棄」または「限定承認」を選択することができるからです。

相続には三つの方法がある

あなたが亡くなって、いざ相続がが開始した場合、あなたの資産(負債)を相続する方は、次の三つの相続方法を選択することができます。

  1. 単純承認:不動産の権利や貯金、借金等の義務のすべて受け継ぐ
  2. 相続放棄:資産、負債に係わらず、権利や義務を一切受け継がない
  3. 限定承認:負債が不明であり、財産が残る可能性がある場合などにおいて、負債と財産を相殺してプラスになる部分のみを受け継ぐ

ただし、相続放棄または限定承認をするには、原則として相続が発生してから(つまり、あなたが亡くなってから)3ヶ月以内に、家庭裁判所へその旨の申請をする必要があります。

ですから、先ほど申し上げたとおり、少なくともいくらの負債があるのかは、残された家族のために、きちんと財産目録に記載しておいて欲しいのです。

3ヶ月の猶予があるから・・・などと思わないでください。

あなたが亡くなった後、葬儀や身の回りの整理に加え、家族を失った喪失感が癒えない状況においては、的確な財産の把握ができなくなる可能性は十分に考えられます。

負債があるから、残された家族には限定承認をして欲しい、という場合には、資産目録にその旨を書き添えておくと良いでしょう。

もちろん、資産目録は正式な遺言書ではないため、法的な効力はありません。でも、残された家族にとっては貴重な情報となることでしょう。

資産目録の作成は、老後の暮らしを考える上でも役立つ

財産目録を作ることで、あなたの老後の暮らしを考えていく上でも、たいへん役立ちます。現在の資産の状況を「見える化」することができるためです。

複数の銀行に預けている預金の総額がいくらになるのか、放置している株券はないか、土地建物の不動産評価額はいくらなのか、投資信託の評価益は・・・など、資産の一つ一つを確認することで、あなたの経済状況を正しく把握することに繋がります。

資産の状況を正確に知ることによって、整理すべき資産も見えてきたり、今後の暮らし方の方向性も変わってくる、かもしれません。

年に1度は財産目録を見直す

財産目録は、一度作成したら終わり、というものではありません。資産状況に大きな変化があれば、その都度、財産目録を必ず書き直すようにしてください。

正しくない財産目録があると、かえって残された家族は混乱してしまいます。

そこで、1年に1回、定期的に財産目録を見直しする日を設けることをオススメします。財産目録の見直しをすることは、今の財政状況を見つめ直すよい機会になりますから、決して無駄になることはないと思います・

まとめ

相続は、財産が多くても少なくても、負債があっても、必ず誰にでも発生します。残された家族のためにも、しっかりと遺言書を作成して、あなたの資産(負債)をはっきりとさせておくことが大切です。

遺言書の作成が大変ならば、財産目録の作成がオススメです。遺言書のように法的効力はありませんが、残された家族に取っては、とても有り難い情報になるはずです。

 「あの世に行くのは、まだまだ先の話だから・・・」

と先延ばししないことです。その日がいつ来るかは、誰にも分かりませんから。

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